こんにちは!
今日は講師や保護者の方が生徒の目標達成をサポートするとき、その状況把握のために持っておくといい3つの視点についてお話しようと思います。
もちろん、生徒自身が自分の状況を把握するためにも活用できるので、是非読んでみてくださいね。
生徒と対話し、目標が明確になると次は現状把握ですが、その際、以下の3つの視点について考えます。
Possession (ポゼッション):身につけている知識、スキルは何か?
Behavior (ビヘイビア):どのような行動(勉強、部活、趣味)をしているか?
Presense(プレゼンス):どのような物事の考え方をしているか?どのような信念や価値観を持つか?
この3つを合わせてPBPの視点と覚えておくとよいでしょう。

(参考文献:コーチングの基本 / コーチ・エイ)
まず、Possessionについて考えていきます。目標を達成するにあたって、必要な知識やスキルを確認し、何を持っていて、何が足りていないかを明確にするのです。
例えばシンカ君という生徒は宇宙飛行士を目指していて、大学は工学部に入って宇宙工学を学びたいと考えているとしましょう。目的も目標も明確なので、そこに必要な知識とスキルを確認していきます。
【知識】
- 志望校の試験についてどれぐらい把握できているか?
- 試験のレベルに対して、現状の科目別の学力は?
【スキル】
- 自分で学習計画を立てる力があるのか?
- わからないところを自力で解決する力はあるか?
- 情報収集および分析の力はどの程度あるか?
目標に対して知識やスキルが著しく低い場合は、学習を開始してもすぐに壁にぶち当たり停滞してしまうため、目標のハードルを段階別に分けたり、再設定する必要があります。
このPossessionを確認する時に、
- 目標に近づくために自分に必要なものは何ですか?
- 自分が持つ知識やスキルの中で使えそうなものはありますか?
と投げかけてあげると、今、シンカ君に必要な知識やスキルを明確にして、学習計画を立てることができます。
続いてBehavior について考えていきます。シンカ君が志望校という目標達成のために、何をしているか?ということを確認していきます。
- 今、どのように学習を進めているのか?
- どれぐらいの頻度で学習をしているのか?
- わからない問題をどう扱っているのか?
- 勉強以外だと何に力を入れているのか?
- 頭が働く環境を作れているのか?
などなど、現状の行動を確認していきます。
このBehavior を確認する時には、
- やろうと思っていてできていないことは何ですか?
- 目標を達成するために今日からできることは何ですか?
- 次回の授業までにどんなことをやりますか?
このような質問を投げかけてあげると、本人が必要だと感じている行動を促進することができます。
最後にPresenseについて考えていきます。これは生徒が持っている考え方や信念とも言えるものです。この考え方や信念が目標と逸れていると、せっかく習得した知識やスキルを活かして、勉強を進めたり模試を受けたりしても成果が出にくいことがあるのです。
例えばシンカ君は昔から足も速いし、計算スピードも速いので、みんなから褒められていました。そのため「スピードが早いことは良いこと」だ、とこれまでの成功体験から考えているとしましょう。ところがシンカ君、いつもスピード優先なので、問題が難しくなると計算ミスを多発したり、理解が浅くなってしまいがちです。
そこでしっかり理解して、ミスを減らすことを目標と掲げました。もちろん頭ではミスを減らしたいと考えているのですが、実は無意識のうちに「スピードが早いことは良いこと」だと思い込んでおり、行動はなかなか変化ていないのです。
このような場合は、無意識で思い込んでしまっていることに焦点を当てて気づかせてあげることが必要です。
- あなたが大事だと考えている価値観は何ですか?
- 目標達成のために何か自分を変化させるとしたら、それは何だと思いますか?
上記のような質問を投げかけてあげると、無意識に思い込んでいる信念を理解し、目標に合わせた考え方を手に入れることができるでしょう。
さて、いかがでしたでしょうか?
講師はPBPのうち何が今生徒、あるいは自分自身に必要なことなのかを見極めることが大切です。
単に知識やスキルが足りないのか?(Possession)行動を起こすことに抵抗があるのか?(Behavior)迷いがあったり、強い思い込みがあったりしないか?(Presense)、そのようなことを考えながら対話していけば自ずと取るべきアクションが見えてくるでしょう。
それでは!イヤイライケレ!